妙子さんも動画配信したほうがいいよ!と、ときどき言われる。時代は動画だ。
私は文章のほうが好き。ざっと全体を見て、重要な部分を抽出できるから。
動画は最後まで聞かないと何が重要なのかが読めないし、話し手の作為あるテンションの声が苦手なので、それだけで疲れてしまう。
でもまあ、こんなことは、私がそういう体質の人間であるというだけの話で、若い子は現に動画で充分な知識を吸収している。
動画を倍速で聞きつつ、感情や力の入った声には無反応のまま情報を受け入れ、さらに重要な部分を抽出できるようだ。
「画面だと伝わらない何か」というのは私の感覚で、新しい子たちはその中で耳を澄ませて、私には無い感覚を発達させて順応しているんだなと思う。
「今の子は産まれたときからスマホをいじって」と言われるけど、私の時代はそれが漫画で、「本も読まず漫画ばかり読むような子はどういう(情緒の無い)大人になってしまうのか」というのが社会問題になっていたように思う。
テレビも同じだ。電卓、ラジオ、電話、パソコン、メール、ライン。新しいものが普及していくとき、それを扱い慣れていない人たちは警戒し、失われるであろうものに焦点を当てて、なにかしら騒ぐ。
友達と電話でその話をしたら、「あたしそれで思い出した」と面白い話をしてくれた。
友達の息子が複雑なテレビゲームをしているとき、右目と左目が別々に動いているのを見て、ぞっとしたそうだ。
え!!!それは面白いー!!
子供が寝てるときにやってみてください。寝ているときにそっと両目のまぶたをあけてみると、左右の黒目が違う位置にあったりします。
どんなに可愛い天使のような子でも右目が上むいて左目が下向いて、それが動いてたりすると、ほんとに、失神するくらいビックリする。(大人でもできると思う)
それを見たとき腰を抜かすくらい驚いて、「人間の黒目って、意識的に同じ向きに揃えられてるんだ」って感動した。
友達の子が、無意識とはいえ、ゲームのために左右の目を別々に動かせていたのだから、もっと未来の子は意図的に、カメレオンみたいに左右の目を別に動かせるようになるのかも知れない。
「この変化が終わって、新しい普通のことを「ニューノーマル」って言うんだって」
ニューニョーマル。噛みそう。
(柔女丸。にゅうにょうまる)
こんな状態にもかかわらず、不安無く、明るく過ごせる日々に、目を見張りながら。
「新しい普通」に体を馴染ませるよう、5月を全力で空っぽに過ごそうと思います。
写真の一枚は赤瀬川原平の宇宙の缶詰。大好きな作品です。
昨日の雷、素敵でした。今日の空はまた格別。
皆様も豊かな時間を。
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