昨日のお話。
深夜に駅に着き、家まで続く緑の並木道を歩いていたら、
(静かだけど暑くて、蝉がわんわんしている深緑の並木道)
暗い前方から女の人が何かを抱えた状態で現れた。
抱っこ紐に入れた子供をゆすっていた。紐から突っ張っている両足の長さとその重さの様子から、1歳半かな、2歳前後かな、大きかった。
子供はまだ完全には泣き止んでいない様子で、ママは抱っこ紐を整えようと子供を何度も持ち上げながら、私と近づいた。
激しい夜泣きの末に外に出てきたのが一目でわかった。
月が明るくて、台風後の雲が煙のように早い。
台風や湿気で感情が安定しなくなる子かも知れない。夏休みのお出かけで刺激の中に埋もれ、身体は疲れているのに脳が興奮したままなのかも知れない。
すれ違うときに「こんばんは」と話し掛けたら、「こんばんは」と静かな声が返ってきた。
そのまま彼女を見送って家の方向に歩いていたら、彼女がすっかり見えなくなった方向から、子供の泣き声が立った。
それで一気に心配になった。
あのくらいの子供は体力があるから泣き声も大音量で、感情が複雑になってくるから泣き止むのにも時間がかかる。
旦那さんはいないのかな、いても明日仕事なのかな。
あんな大声で泣かれ続けたら、旦那さんどころか近所にも迷惑になってしまう。
うちの息子も真夜中に大きな声で、泣いて、泣いて、 何度も起きて、大変だった。何が原因か突き止めたくて、毎日の出来事と食べたものに、泣き出す時間や回数を記録したりもした。
この暑さでは外に出たところで子供の気持ちも切り替わりにくい。ママの体力、持つかな。
変わりに抱っこしようとしたって、ママ以外には余計に絶叫するだけだ。何もできないけど、話し掛けてこようかな。
人がくると余計に刺激になっちゃうかな。でも私がママだったら、誰か居てくれたら、気持ち的に安らぐけどな。
考えたってきりがない。とりあえずUターンして引き返してみたけど、彼女はいなかった。耳を立ててみたけど、泣き声もしなかった。
眠ったかな。眠ったらいいけど。
手のかかる子と、手のかからない子。
育児も不公平だ。
そのまま寝られるといいな、と思いながら。
おやすみなさい。