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執筆者の写真秋山妙子

胸を開いて、空を


先日いらしてくださったお客様、50代の男性。

繊細で優しい表情、痩せ型ですけど、骨格はしっかり。

2時間の施術をしながら、妙な身体の癖というか、使い方の蓄積を感じました。

どうしてこんな形に変化してるんだろう・・・・

狭くて細い箱の中で、壁に当たらないよう、身体を縮めているイメージ。

左右も天井もぶつかってはいけないような場所で作業や移動をしているようなイメージでした。

「どう言っていいかわからないんですけど、とっても狭いところでお仕事されてませんか?」

施術ベッドに横たわったままのお客様の目のピントがはっきり合って、少し見開かれ、奥行きが出て黒目が深くなりました。

「そうです、そうです」

彼は狭い窓口が並ぶ場所で働き、通路も狭く、書類や箱が左右に詰まれて天井も低い場所で、女性たちと働いているそうです。

高い身長でもって女性や書類や箱とぶつからないように立ちまわる。

「ああ、それなんだ、やっとわかった」

と言ってから、

「狭い場所だから体重が減るってこと、ありますかね」

と尋ねてきた。

(聞いたことないなあ・・・・)

「ストレス付加がかかると食べる人と食べられない人といるので、後者の場合は体重が落ちることも、あるかも知れません」

あまり納得していない様子。

「腹筋がちぢんたりして、胃が圧迫されたりする影響もあるかと思います」

ピンと来ない様子。

「あとは、◎さんのお体は素直だから、小さくなりたがってるのかも」

「あーーーーそれだ!!!」

(え)

「僕の身体、小さくなろうとしてたんだ。4キロも体重減って、まわりにも心配されて、病院に行ったらお決まりの検査で、異常なしで。小さくなりたかったのか、だからなんだ」

いいのだろうかこれで、と一瞬思ったのですが、でもそうなんです、こういうお話はお客様が個人的に「ピカーン」と来たものがゼッタイ正解になるんです。

今は身体を縮めながら仕事してるんだ、って自覚して、仕事場を抜けたら、「もう広げて大丈夫」って教えてあげたり、休みの日は身体を思いっきり広げるようなすごし方をされたらいいと思います。

と言ったら、とっても納得されて、子供が走り出すように帰られました。

胸の大きい女の子の有り方として、どうよ!(ボイーン!!)ってタイプもいれば、必死で猫背になる子もいる。

大きな身体も同じ。

ぶつかりながら平気な人もいれば、ぶつからないように身を縮める人もいます。

東京は道路も駅も電車も職場も、狭くて肩をすくめがち。

その方のお体は足指も手指もしっかり長く大きく、四肢の指でもって思い切り何かを掴みそう。

グライダーのように胸を開いて腕を広げて、 空気の広い場所で風と遊んでください。

声を持たない身体が言いたいことを聞く。

こんな感じに施術しております。

私のことも書かれちゃうの?

大丈夫です。

お客様の許可・文章校正して頂いて投稿してますので、ご安心ください。

皆様も是非是非!!

ちょっと重めの空ですけど、今日も良い日に。


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