ここ半年くらい、
施術が終わって身体が開いたお客様が最初に足を乗せる場所が強烈に美しかったらどんなに良かろう、
という発想が立ち上がってしまい、
水面下でずっとペルシャ絨毯を探しておりました。
ネットで見つけた、くらくらするような素敵な色合いの、予算度外視の一品が振り払っても振り払っても頭から離れず、お店を見たら群馬県、見に行こうと問い合わせたら、東京にしょっちゅう来てるので持参いたします、とのこと。
そこでやってきたのが堀川さん。
猛烈なアンティーク好きで、目がキラッキラ。
知識も深く、工房、年代、品質、購入由来などの物語が大好き。
堀川さんはアメリカの大学を出て、エステートセールというアメリカではポピュラーな生前・遺品整理の仕事を日本流にアレンジして立ち上げ、日本全国をまわっています。
物を物として扱うのでは無く、気持ちや歴史の入った物に対してその物語りや思い出と共に引き取る、そんな印象を受けました。
人の家の不要なアンティークを見に行き、家具、大きな壷、日本人形、漆食器、着物、得体の知れない記念品など、など、倉にあるもの、玄関にあるものをお客様と協議の上、ごそっと持って帰ります。
埃だらけ、泥だらけ、箱をあけると虫が出てくるようなものでも、堀川さんにとっては全て宝物にしか見えないそうです。
家でウキウキと泥や埃を払ってピカピカに磨き、丁寧に写真撮影をしてから、写真リスト一式を持ってまたお客様の元へ。
そこで堀川さんの知識とともにお客様と販売価格の打ち合わせをして、双方納得済みの上で日本、海外のネットに出品、決めた値段のまま値切らず売って、売り上げの半分をお客様へ。
「こんな大きくて派手な久谷焼、今誰も欲しがりませんよ」
「日本人形は置くところがある家がもう無いから」
時代遅れ、場所が無い、大きい、古臭い、などなど引取り業者が二束三文で引き取るものも、堀川さんにしたら宝の山。
「人が丁寧に作っているものはそれだけで物語があって、その物語は絶対に人から人へ繋がるんです。僕は買い取りしません、預かってるだけ。預かってて、売れたら発送するだけなんですよ。ウフフ。」
相当大きな倉庫があるんだろうなーと思ったら、
「倉庫無いです、自宅に飾ります。倉庫に入れちゃだめ!!人と一緒に生活させると、ものが輝いてくるんです」
あー、わかる。新入りが入ると、まわりの「もの」たちも反応しますよね!!
「そうなんですっ、秋山さん!!!いやーー秋山さんも「もの」と会話ができるんですね!!!話が通じて嬉しい!!!!」(顔が上気して目がキラキラ)
そんな訳で、これが堀川さんの自宅。
預かったアンティークたち。
磨かれて、暗い場所から出されたものたちが、安心した表情で、楽しそうに
多分、ピアノなんかも聞かせてもらいながら
家族の一員として、談話中です。
玄関前のペルシャ絨毯は靴で踏んでいるそう。大理石の上に置き、靴で踏むのが理想だそうです。
・・・・・
なんでしょう、この天職っぷり。
「僕、今テレビ番組の取材受けてるんです、なんで僕みたいな小さな会社って思いますけど。妻からは「あなた楽しそうね、青春してるわね」って言われます」
「見てください、僕の家に敷いてあるこの絨毯、これは1920年代の絨毯ですよ? オクラホマ州のアンティークショップのレジの前で泥だらけになってたんです。 僕が引き取って3回洗ったんです、可愛いでしょうー、毎日踏んでます。絨毯は踏まれないとだめなんです」
ほんとだ!!!可憐な可愛さの絨毯が、アンティークベビードールのような表情で優しく写真に写ってます。幸せそう。凄く良い!!
いいな、素敵だな。こうやって、喜びのつゆだくみたいになって暑苦しく働く人がもっともっと増えたら良いな。
「この壷はイスラエルへ、この人形はフランスへお嫁に行きました。時代遅れとか大きすぎるとか、そんなのは全っ然、関係無いんです! この商品を欲しがる人が、世界に1人いればいいだけですから!!! ね、たった1人いればいいんですよ? その1人は、必ずいます! 良いものは、必ず次の行く先があるんです!」
熱い。恐るべきポジティブ。会社の名前も「ポジティブシンキング」。ベタすぎる。
そしてアンティークから邪気を受けたことも、恐い思いをしたことも
「全くありません!良い感じ以外、感じたことありません!」
だそうです。堀川さんの熱量に、邪気も消えちゃうのかも。
そんなわけで私もその「たった一人」に。
絨毯、買いました。もしかしたら私も一瞬そのテレビ番組に出ることになるかも。。。。。詳細は決定後に!
堀川さんに会ってみたい方、おつなぎします。
堀川さんのHP、文章も熱い。笑
絨毯以前に、面白い縁がまた増えたわ。
絨毯を納品したらまた熱く語らせていただきます。
ではでは、サロンに絨毯はまだ届いてないけれど、私はおります。
サロンで、お会いしましょうー!
おやすみなさい!