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執筆者の写真秋山妙子

光の雨


本日、日曜。

静岡から来て下さった新規のお客様が、めずらしく「光の雨」というメニューをご予約されました。

この方はエネルギー療法やフラワーエッセンスなどの植物療法などをされている、繊細な方。

圧を入れる施術は好まないとのことで、久々の「光の雨」です。

この変わったタイトルの施術は、80代の男性を担当して生まれたものです。

(あの)ジョン・ガリアーノが僕のお店に来ては、まとめ買いをしていくんだよ、という日本の工芸品を取り扱っているお店の経営者さんでした。

いつでも、それはそれは素敵な帽子をお召しでしたが、

なんと「帽子職人から帽子が届いたら、その帽子に合わせてスーツをオーダーする」

という森茉莉も黙る極上の出で立ち。

「僕は足が悪いから、3時間、ごくごく軽いのをね、お願いします」

「軽くして」と言う方に限って、丁寧に圧を入れると「もっと強くていいわ」と言う前例多し。

「お任せください」と担当しました。

ところがこのお爺様、ちょっとでも圧を入れると

「おいおい、おいおい、君はまるで漬物石みたいに僕をギュウギュウ、やりこめるねえ」

と言う。(本当にこういう口調でした)

「もっと弱く、もっと弱く」

と言われ続けて3時間。

さらにけっこうな頻度でいらしてくださった成果で、圧はどんどん、どんどん軽くなり。

集中して手のひらと指先の感覚に頼りながら体のカーブの全てをなめらかに、丁寧に拾っていくうちに、

「帰りの電車では体が熱くて熱くて、真冬でもコートは要らないんだよ、不思議だねえ。まあ、合格ライン、でしょう」

と言われるようになりました。

その施術をしているときは光の雨の中にいるイメージでしたので、普通に心の中でこの3時間を「光の雨」と呼ぶようになりました。

という、お話。

手のひらの密着と柔らかい指先が必須の超弱圧は、特に細かい関節部分でその醍醐味を発揮します。

今日のお客様。

「今まで受けてきた弱圧のオイルマッサージの中で一番良かった。物足りなさが全く無かったです。満足しました」

子供のような笑顔になって、そう言われました。

同業者からそう言われると、ちょっと(かなり)嬉しい。

オイルマッサージは好きだけど、重いのが嫌。

軽いオイルマッサージは、撫でてるだけで物足りない。

そういう方が身近にいらしたら、是非ご紹介ください。

心が疲れて、気が高ぶっている方にもおすすめです。

良かった、良かった。

写真は草間彌生の作品です。

明日から月曜。

6月最後の週、良い週にしましょう。

おやすみなさい。


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