夕方、サロンを抜けて友達に会いに行ったら、友達の子供(5歳女子)が退屈していた。
友達が取り込み中だったので、持っていった「かちく」(絵本)を一緒に読みました。
「牛から牛乳とお肉の他に、皮も取るって。ほらこれ」
私は床に置いた鞄を持ち上げて
「牛の皮」
と言った。彼女は鞄の表面を撫でた。
「羊からは毛が取れるって。これは羊の毛」
コートの下のセーターを引っ張りだしたら、彼女はうなづいた。
「ってことは、私の髪の毛からもセーターできるかしら?」
と聞いたら、彼女は首を傾けた。
これは?と彼女が指差した。
イラストにカイコガが描いてあった。白い幼虫がサナギになるときに糸を吐いて繭をつくったのを、大きな鍋でぐらぐら茹でて、糸を取って、ツルツルの良い布を作るんだと説明した。シルクのものは持っていなかった。
鵜飼のページもあった。動物実験のページもあった。ペットの絵、エジプトのネズミ捕り用猫、アンデスのラマ、砂漠のらくだ。
読み終わってしばらくすると、彼女が私の鞄の脇にしゃがみ、中を見て、ひょいと手を入れた。
「人の鞄はだめ!!」友達がピシャリと言った。
「私のかばんはいいよ」と私が言った。
彼女が手を出そうとしなかったので、一緒に中を見た。
遠くから星のような音のするガムランボールがついたキーホルダー、草の香りがするメラルーカオイルの小瓶、財布には色々なものが入っている。懐紙に包んである三葉松の葉(こないだ行った天の橋立のお寺で拾った。財布に入れると良いらしい。)天道虫のような小さな赤いスカラベ。本物そっくりの蜥蜴。
トカゲの尻尾をつまんで、「トカゲ、いる?」と聞いたら「いる!」というのであげた。
「やめてよー、そういうのは」と友達が言った。
一緒にごはんを食べるつもりでいた彼女は、私が仕事に戻ると聞いてがっかりしていた。
スカートが嫌いで、着物が好きだそうだ。
「着物はスカートの仲間じゃないの?」
(上着の仲間だそうです)
久々に小さいのと話して面白かった。
今度来たときは、ご飯にお供いたしませう。
子供は、楽し。
ではでは、また、明日。