毎月、大阪の美容室jiro work shop(ジローワークショップ)でヘッドスパの施術をしているのですが、
このご時勢、例によってスタッフさんは全員、完璧にマスクをしています。
すんごく良いスピーカーで大空間に広がるBGMに加え、滝の水音、シャワーヘッド、これにドライヤー、お客様のおしゃべり。
加齢のせいなのかなんなのか、音が大量の水のように行きかう天井高いサロンで、マスクをして話しかけてくる皆さんが何を言っているのか、ぜんぜん聞き取れません。
さらに口全体、つまり口唇が見えないので発声の検討もつかない。
「モファモファ」
「はい?」
「モファモファ」
「え?」
「モファモファ」
「なんですか?」
とめちゃめちゃ近づいて相手のマスクに耳を近づける私は、なんというか、ナオコばあちゃんの縁側日記(わかるぅ?)と言うか、志村けんのおばあさんというか。。。。
ところがスタッフは3メートル先からそれを聞き取って、動いている。
「みんなよくわかるねえ。。。」
「最初は全然わからなくて大変だったけど、わかるようになりますよ」
「へええええええ」
またジローさんが呼んでいる。
「モファモファ」
「はい?」(ジローさんとこに走る)
「モファモファ」
「シャンプーですか?」
「モファモファ」
「あっ、わかりました」
先にヘッドスパのカウンセリングしておいて、だ。
わかったわかった、わかったぞ。
すたすたと受付に戻ったらアシスタントの男の子が
「僕ここから今全部聞き取れましたよ」
だって。
ひええええ、リスニングの発達、凄い。
それで思い出したけど、姪が1歳の夏。
お昼は冷たいうどん。
手づかみで元気よくうどんを口に入れていた姪が、弟に向かって
「チゥチゥモッカベゥ」
と言ったら、弟が
「はいはい」
と自分のうどんを一本、姪のお皿にいれてやった。
「なに?なんて?今の。わかるの?」
と聞いたら
「ちゅるちゅる(麺)をもう一回食べる、だよ」
「ちゅるちゅる・もっかい・たべる」
のとんがったところが、幼い口腔内で全部とけて、まあるく甘い音になる。
「すごいねえ」
「そお?僕にはそうとしか聞き取れなかった」
と弟が静かに言った。
チゥチゥモッカベゥ
の丸い音を何度も味わいながら、超少数言語だわ、と感動したことがあった。
マスク語も同じ。病院で働く人はこんなぺらぺらのマスクじゃないからさらに聞こえにくいだろうし、話すことも薬の名前や手順だったりして、もっと大変なんじゃないかしら、と思いました。
それにしても人間の発達って凄い。
細かい領域を汲み取って行くように進化していく、聞き取りたいという思いで。
ではでは、サロンでお会いしましょうー!
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